【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第20章 ✼••┈••✼蓮✼••┈••✼
何度が裾をゴシゴシと往復させた後に目を少しだけ開いた。
その目にはもう迷いは無く、自分がすべきことをハッキリと見定めていた。
孤蘭は立ち上がると部屋を出た。
本堂まで来ると、宮殿の様子に体がすくんだ。
あちこちから破壊音が聞こえてきて、目指している房中宮は半壊していた。
普段屋根がある場所からは空が見えている。
地響きもあり、そこは本当に戦場に立っているようだった。
一瞬止まった体はすぐにまた房中宮を目指した。
まだ少し…、ほんの少しだけ菊花と桃花のタオを感じたからだ。
息を切らしながら房中宮に着くと、そこにはやはり菊花と桃花の姿は見えなかった。
代わりに弔兵衛を含めた四人の人間がいた。
その光景はハッキリと、菊花と桃花を殺したのが弔兵衛たちだと教えている。
だけど孤蘭はもう、牡丹(ムーダン)を殺された時のような憎しみの気持ちは湧かなかった。
息を整えてゆっくりと足を一歩進めた。
孤蘭が現れて一番驚いたのは弔兵衛だった。
蓮が孤蘭を戦場に向かわせるはずがないからだ。