【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第20章 ✼••┈••✼蓮✼••┈••✼
蓮の執着も愛情も、他の天仙とは全く違う。
孤蘭はそれを『いい方』に考えていた。
恐ろしいほどの『孤蘭』への執着も、怒ると怖い蓮が向ける溺愛も、愛だからだと思っていた。
「…仙薬の酒種が完成した…。後は本土に上陸し多くの丹を集める必要がある。孤蘭…島を出る用意を。」
蓮はさらに手を差し伸べる。
その手を取らなければいけないのに、孤蘭の体は動かないままだった。
本土の人間を丹にする…。
「…蓮…、なんのためにそこまで…。」
孤蘭がそう言うと、蓮の手は一瞬震えた。
しかし、次の瞬間に彼…いや『彼女』は綺麗な笑顔を孤蘭に見せた。
「全ては宗師のために。」
その蓮の笑顔を見て、孤蘭の心臓がぎゅっと痛んだ。
ずっと抱いていた違和感の正体。
蓮は私を見ていなかった。
蓮が想っていたのは、私の中の徐福の血だけだ。
「さぁ、もう行こう。ずっと床に座っていたら体を痛めるだけだ。」
蓮は手を差し伸べない孤蘭に我慢が出来ずに、孤蘭の体を抱き上げようとした。