【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第19章 ✼••┈••✼未極楽へ✼••┈••✼
「…アイツの……、桐馬のタオが近付いてくるのが分かる。」
明確な別れの言葉など無くとも、それがどんな意味なのか孤蘭には分かった。
「……そう…。…帰るのか…。」
弔兵衛がどこかに行くのでは無くて、元の場所に帰っていくのだと、孤蘭は分かった。
離れていても、どこに誰のタオを感じるのか分かる。
蓮たちは明目法(めいもくほう)などで今の状態を正確に知ろうとするが、弔兵衛や孤蘭は分かるし、感じるのだ。
「……家族だもんね…。」
孤蘭は弔兵衛を引き止めるつもりもないし、彼もそれを望んでないのが分かる。
結局、さよならも言わずに、弔兵衛は孤蘭の部屋を出て行った。
孤蘭の部屋は静寂になり。
本堂から離れた宮殿や外門もまた、夜の静寂に包まれる。
その静寂に紛れて入って来た侵入者たちを、蓬莱の天仙たちが迎えた。
それぞれの宮で、天仙たち以外の人間のタオが複数人ぶつかる。
孤蘭は体に残る僅かなタオを異なるタオの中から天仙たちのタオを感じるために使った。