【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第19章 ✼••┈••✼未極楽へ✼••┈••✼
✼••┈┈┈┈┈┈••✼✼••┈┈┈┈┈┈••✼
蓬莱が、かつて無いほど騒がしかった。
道士たちも慌ただしく宮殿の中を行き来している。
水門に何やら荷物を運ぶ姿を見えた。
何かに備えようとしていると、何も聞かされていない孤蘭でもすぐに分かった。
(……こんな時に…。)
孤蘭は拳を握って、自分の胸を押し潰した。
もう氣(タオ)を自分で練ることも出来なくなっていた。
多分孤蘭は、次の日を見ることが出来ないだろう。
「孤蘭。」
宮殿の廻廊で困惑している孤蘭に声をかけたのは桂花(グイファ)だった。
振り返った孤蘭の顔色が悪いと分かると、桂花はすぐに孤蘭の体を抱えるように触れた。
「… 弔兵衛の密告で、今夜人間が宮殿に来ることが分かってる。蓮(リエン)はその人間たちで辟餌服生の斎(へきじふくしょうのさい)を行おうとしてる。…僕も他の天仙たちも守る場所を決められてる。孤蘭は自分の部屋にいて。本宮の水門から離れているその場所なら、わざわざ誰も来ないだろう。」