【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第19章 ✼••┈••✼未極楽へ✼••┈••✼
弔兵衛は孤蘭の言葉に顔を歪めた。
孤蘭は母親の外丹花から手を離すと、ゆっくりと振り返った。
蓮の研究室に行った以来、弔兵衛は孤蘭を見ていなかった。
久しぶりに見た孤蘭のは、体だけではなくて、顔まで幼く見えた。
「…ここ(蓬莱)には人間の私の食べ物は少ないから、牡丹が私のために、飲める丹を作ってくれたの。」
「…お前…。『それ』をずっと飲んでたのか?」
嫌悪感を滲ませている弔兵衛の視線を、孤蘭は真っ直ぐに受け止めていた。
とても甘く。
花の蜜の匂いを纏った女だと思った。
何を食べたら人間の体がどこを舐めても甘いなんて不思議だった。
答えは想像すら出来なかった事実で。
弔兵衛が今、受け止め切れない感情は。
そんな事実を顔色一つ変えないで、淡々と話している孤蘭自身だった。
弔兵衛は奥歯を噛み締めて拳を握った。
そして大きく一歩を踏み出すと、小さくなった孤蘭の体を抱き締めた。
「…………。」
何も言わずに、ただ抱き締めてくる弔兵衛に、孤蘭はしばらくそのままでいた。