【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第18章 ✼••┈••✼薄紅色の蓮の花✼••┈••✼
「…ここに居なくてもいい。他の宮に行ってもよい。孤蘭の気が逸れることだけはするな。」
蓮がそう言っても、弔兵衛はその場を動かなかった。
再び蓮の体が覆い被さると、孤蘭はもう弔兵衛を気にしなかった。
蓮の体が重みが心地よく、耳元で呼ばれる彼の声にゆっくりと目を閉じた。
蓮の匂いも声も、どんな花の蜜よりも甘く、孤蘭の体に染み込んでいく。
「あっ…っ蓮っ…。」
ギシギシと揺さぶられて、漏れる孤蘭の声は控えめだった。
その光景を黙って弔兵衛は見ていた。
自分が鳴かせた声よりも甘く、満たされている恍悦の表情を見て、目眩さえした。
まるで美しい花の絵のように絡む二人の体が、本当に人離れした美しさで。
この地獄のような様の中で、そこだけがまるで極楽のように思えた。
地獄と極楽を行き来する。それは地獄楽。
「…蓮…私…、私の花のタオは蓮と一緒の蓮がいい…。」
蓮の首に細い腕を絡めながら、孤蘭は荒い吐息を吐きながら言った。
薄紅色の蓮の花。
あの花のタオと私は絡みたい。