【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第18章 ✼••┈••✼薄紅色の蓮の花✼••┈••✼
そして、この世でただ一人。
弔兵衛だけが孤蘭の死を悲しんでいるのだと分かった。
蓮は孤蘭が自分の死を悲しみ、弔兵衛が人間の死の概念を孤蘭に植え付けたことに苛立ちを覚えた。
「孤蘭、死は悲しみでは無い…。頼むから泣かないでくれ。」
蓬莱で最後の時を過ごす孤蘭が、悲しみに暮れて過ごすなんて、蓮には耐えられないことだった。
蓮は孤蘭を抱き締めると、弔兵衛を睨んだ。
「…私は孤蘭に穏やかに過ごして欲しいと思い、お前を孤蘭の部屋に入れたんだ。」
「……子種のためじゃないのか?」
そう弔兵衛が言った途端に、蓮の目の色が変わり、弔兵衛の首を掴むと、そのまま床に弔兵衛を叩きつけた。
「っ!蓮!」
孤蘭は咄嗟のことに驚愕したが、すぐに蓮を止めるように、彼の腕に自分の腕を絡めた。
見ると、蓮が破損させた弔兵衛の顔は、花の蔓によって修復をしている。
何度も天仙たちで見慣れたその光景だったのに、孤蘭は思わず顔を背けた。