【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第17章 ✼••┈••✼蓬莱で、二人。✼••┈••✼
桃花はもちろん菊花が機嫌が悪い理由が、孤蘭が菊花よりも人間と居ることを選んだからと知っている。
桃花は菊花から指を離すと、諭すような声で菊花に言った。
「菊花も蘭も『孤蘭』に執着し過ぎるのよ。孤蘭は人間なんだから私たちとは物の感じ方が違う。懐いてくれてても同じ人間の番が現れれば最後は番と過ごしてたじゃない。」
桃花は孤蘭を可愛がっていたが、蓮や菊花達のような強い執着は抱かなかった。
最後は同じ人間に靡く孤蘭たちに、寂しさを覚えても、菊花や蘭のように心を痛めたりはしない。
桃花の言葉を聞いて、菊花は今までの孤蘭たちを思い出していた。
どの孤蘭たちも天仙たちによく懐き、彼らに恋に似た感情を抱いていたのも知っている。
自分たちが同じ気持ちを抱けずに、一歩引いて最後の時を人間と過ごす孤蘭たちを見送っていた。
しかし、孤蘭が泣きながら菊花に言った言葉を思い出していた。
「……孤蘭が最後は俺たちと過ごしたいって言ったんだ…。」