【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第17章 ✼••┈••✼蓬莱で、二人。✼••┈••✼
口付けが終わっても、弔兵衛は孤蘭の体を抱き寄せて、腕の中におさめた。
固い腕も胸元に押しつぶされて、孤蘭は苦しそうに顔を少し上げた。
散々口付けをしてきた弔兵衛は、満足したのかまた眠りについていた。
先程は苦しそうに眉を顰めていたが、今の表情は穏やかだ。
弔兵衛の寝息が聞こえてきて、孤蘭は窮屈な腕の中から出ようとしたが、寝ているはずの弔兵衛の腕は少しも動かなかった。
「……なんなの…。」
孤蘭は諦めたようにため息を吐きながら言った。
だけどほんの少しだけ頭を寄せて、彼の胸元に疼くまってみた。
弔兵衛の静かな心臓の音を聞きながら目を瞑ってみた。
蓮が会いに来てくれない胸の痛みが和らいだ気がした。
「機嫌が悪いみたいだね、菊花。」
皺が寄っている菊花の眉間を人差し指で撫でながら、桃花は彼の腕の中で笑っていた。
そんな桃花の手を振り払うでもなく、菊花はしばらく桃花の指に遊ばれていた。