【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第2章 ✼••┈••✼未成の花✼••┈••✼
他の天仙達が喜ぶなと桂花は思った。
そして早速、静かな二人の空間に邪魔者が入る。
「孤蘭、探した。」
入って来たのは牡丹(ムーダン)。
赤い髪が揺れて、彼の道士装束は大きな数珠が目印だろう。
「孤蘭僕の房中に行こう。」
そう孤蘭に手を差し伸べる牡丹は、昨夜の蓮と同じ表情をしていた。
実を言うと孤蘭は彼の房が苦手だった。
研究熱心な彼の房には、仙術により花にされた人間が引き詰められていて、丹(タン)の匂いが充満している。
牡丹にとって人間は丹…すなわち食事と研究対象だ。
しかし、蓮同様孤蘭だけはまた違う。
「孤蘭、もう房中を結べるようになったんだろ?」
孤蘭の手を握りしめながら、牡丹は恍悦の笑みで孤蘭の顔を覗き込んだ。
牡丹もまた、孤蘭との房中を望むその視線に、孤蘭の顔が赤くなる。
望んで当たり前なのだ。
彼らは全員で一つだから。
孤蘭は牡丹に導かれる様に桂花の房を出た。