【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第9章 ✼••┈••✼夫を娶る✼••┈••✼
孤蘭の言葉は士遠の体が答えを語っていた。
よくなっていた。
切られた喉も疲労感さえも。
「私嘘は言わない。どう?話聞く気になった?」
驚いて動揺している士遠に、孤蘭は小首を傾げて聞いた。
「先生に近づくな!!」
一歩前に出た孤蘭から士遠を庇うようにヌルガイが前に出た。
「嘘…、信じてくれないの?」
ヌルガイの態度に孤蘭は絶望した顔をする。
そして大きくため息を吐いて、またフッと消えた。
そして再び、士遠の懐に。
孤蘭は呪印が書いてある人形の苻を士遠の襟元に押し入れた。
「召喚苻。これを燃やせばあなたの元に私が現れるから。」
そう言って少しだけ士遠の頬に唇を触れさせると、孤蘭は士遠から離れた。
そして再び暗闇の中に消えていく。
士遠の襟元に少しの名残を残して。
しん、と静まり返った森の中で、ヌルガイは士遠に大きく振り向いた。
「先生!!なんて言われた!?」
ヌルガイには最後に孤蘭から言われた言葉は聞こえなかったようだ。