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Tell My World 【ヒロアカ 爆豪勝己】

第3章 未完の初恋、ログイン不可の心


手紙の束を抱きしめた後、現実に戻ったは、震える手でデバイスを握りしめていた。


「爆豪くんに……会わなきゃ。……でも、どこに……?」


ニュースでは搬送先の病院は伏せられ、詳細は遮断されている。
焦燥感に焼かれ、視界が涙で滲む。
その時、彼女の脳裏にある人物のアバターが浮かび上がった。




(Verde……。あの時、爆豪くん一緒にいた……!)



以前、ZERO WORLDの祭典で爆豪が連れてきた青年。
爆豪と親しげに接していた彼なら、きっと本当の場所を知っているはずだ。
彼女は自分のプロフィールを「非公開」に設定し、正体を伏せたまま、藁をも掴む思いでメッセージを飛ばした。


その頃、緑谷出久はICUの前のベンチで、憔悴しきった姿でダイブしていた。
ヒーローネットワークを通じて、何か少しでも爆豪の意識を呼び戻す手がかりはないかと、ZERO WORLDのサーバー内を彷徨っていたのだ。


そこへ、一通のシステムメッセージが届く。
差出人は『Unknown』



『突然失礼します……お願いです、Verdeさん。BLAST……爆豪さんのいる病院を教えてくれませんか。どうしても、彼に伝えなきゃいけないことがあるんです』


「え……っ!?」


緑谷が驚きに目を見開く。
差出人は不明。
だが、爆豪の活動名である『BLAST』ではなく、本名を知っている。
何より、文字の間から滲み出るような悲痛な訴えに、緑谷は息を呑んだ。




運営関係者だと思っていたその『誰か』が、今、爆豪のために必死に声を上げている。
本来、現役ヒーローの搬送先を部外者に教えることは重大な規約違反だ。


けれど、今も心電図の音だけが虚しく響く病室で彷徨っている幼馴染を救えるのは、この人物しかいないのではないか。
緑谷の直感がそう告げていた。



「……信じるよ。君が、かっちゃんを繋ぎ止めてくれるって」



緑谷は、祈るような指先で返信を打ち込んだ。



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