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Tell My World 【ヒロアカ 爆豪勝己】

第3章 未完の初恋、ログイン不可の心


爆豪からは「熱」が消え、爆炎のような闘志ではなく、底の見えない虚無が残った。



「……かっちゃん、危ないッ!」



緑谷の叫びが戦場に響く。
だが、爆豪の反応は、かつての彼ならあり得ないほど鈍かった。
いつもならコンマ数秒で敵の虚を突き、完璧な爆破で制圧するはずの場面。
それなのに、今の彼の脳裏を占めていたのは、送信不可のまま消えたメッセージと、誰も現れなかったベンチの冷たさだけだった。



「(…なんで、…あいつ、…どこに…)……っ、!?」



一瞬の、致命的な油断。
敵の放った巨大な瓦礫が、回避を忘れた爆豪の体を真っ向から叩き潰した。




「かっちゃん!!」




凄まじい衝撃音が響き、爆豪の体はボロ雑巾のように地面を転がった。
意識を刈り取るほどの激痛。
視界が急速に狭まり、最後に映ったのは、煤けた空の青だけだった。








……それから、数時間が経過した。
病院の集中治療室(ICU)の外。
緑谷は血の気の引いた顔で、自身の震える掌を見つめていた。



救急搬送された爆豪は、意識不明の重体。
全身の骨折と内臓損傷。
あまりにもの状態に、A組の仲間たちは言葉を失っていた。


「……あんなかっちゃん、見たことないよ……」


緑谷は壁に頭を預け、絞り出すように呟いた。
仕事中も、移動中も、爆豪は常にデバイスの画面を眺めていた。
何かを探すように、あるいは何かに裏切られた絶望を噛み締めるように。
もっと早く踏み込んでいれば。
無理にでも話を聞いていれば。
幼馴染としての、ヒーロー仲間としての後悔が、緑谷の胸を激しく抉る。








一方、そのニュースは、暗い部屋で膝を抱えていたの元にも届いていた。
テレビから流れる「プロヒーロー・ダイナマイト、意識不明の重体」という速報。

画面に映し出されたのは、かつて自分を傷つけた少年ではなく、自分を愛してくれた『BLAST』の面影を残す、血塗れの男の姿だった。




「……っ、……嘘、……なんで……」



彼女が拒絶し、繋がりを断ったせいで……。

彼が守るはずだった「現実」の世界が、今、無残にも崩れ落ちようとしていたーー。




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