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Tell My World 【ヒロアカ 爆豪勝己】

第2章 初恋は、0と1の境界線上で


瞬殺で解決した彼らはまとめて支払ってくれていた轟に、お金を返しながら話していた。


「爆豪! さっきの続き、また『ZERO WORLD』の中で聞かせろよ! フレンド申請送るから拒否すんなよな!」

「あそこなら仕事終わりでも集まれるしね。みんなでライブ観に行こうよ!」


爆豪は「チッ、勝手にしろ!」と毒づきながらも、以前のような拒絶はしなかった。
ふと轟を見ると空をじっと見つめながら、どこか考え深げに呟いた。


「……ZERO WORLD、か。そこに行けば、お前らが話していたような『変化』の理由も少しは分かるのかもな。今度、俺もやってみることにする」

「……あ? 迷子になんなよ、半分野郎」


爆豪は毒づきながらもデバイスを取り出し、何人かとIDを交換した。










バーチャル世界での「当たり前」は時として残酷なほどに現実の飢えを際立たせる。

いつもの入江で、爆豪は手慣れた仕草でエミリアの腰を引き寄せ、その細い体を自分の腕の中に閉じ込めていた。

重なる唇。

鼻先をくすぐる彼女の香り。

システムが再現する「熱」はあまりにも心地よく、だからこそ、その先にある本物の体温が欲しくてたまらなくなる。


「……おい」


深い口付けの余韻に浸る彼女の耳元で爆豪が低く、拒絶を許さない声を出した。


「いつまでここで満足してやがんだ。……現実(リアル)で会うぞ」


その言葉に、エミリアの肩がびくりと跳ねた。
彼女は爆豪の胸に顔を埋めたまま、消え入りそうな声で拒む。


「……ダメです、まだ……。だって、私……あなたが思ってるような人じゃ、ないかもしれないから……」

「あ? 中身がテメェなら、外側が何だろうが関係ねぇっつったろ」

「でも……っ」


なおも言い淀もうとする彼女の唇を、爆豪は強引なキスで再び塞いだ。
驚きに目を見開く彼女を離さず、舌を絡め、思考を真っ白に塗りつぶしていく。
何度も、何度も、逃げ道を塞ぐように熱を刻み込み、ようやく唇を離した時には、彼女の瞳はとろんと潤み、反論する気力さえ奪われていた。


「……つべこべ言うな。俺が会いてぇっつってんだよ」



爆豪は真っ赤な顔で視線を逸らしながらも、傲慢なまでに言い切った。



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