Tell My World 【ヒロアカ 爆豪勝己】
第2章 初恋は、0と1の境界線上で
爆豪は彼女を食い入るように見つめた。
先ほどまでの自責や後悔を喉の奥に無理やり押し込んで、熱を帯びた声で問いかける。
「…………なぁ。もう一回、してもいいか」
「…………っ!!」
エミリアは弾かれたように肩を震わせ、顔を真っ赤にして固まった。
人生で初めての経験を、また、今この場所で。
頭の中が真っ白になり、指先が微かに震える。
あまりに純粋な彼女の反応に、爆豪は自嘲気味に視線を逸らした。
「……っ、クソ。嫌ならいい。忘れろ、――」
「……っ、嫌じゃ、ないです……っ」
消え入りそうな、けれど必死に彼を繋ぎ止めるような声だった。
彼女は爆豪の袖をぎゅっと掴み、潤んだ瞳で彼を見上げる。
「……して、欲しい……です……っ」
その瞬間、爆豪の中で理性の防波堤が音を立てて崩れかけた。
今すぐ押し倒して、この華奢な体を奪ってしまいたいという衝動。
プロヒーローとしての理性を総動員して、どうにかその「野獣」を檻に閉じ込める。
爆豪は震える手で、彼女の柔らかな頬をそっとなぞった。
「……っ、…………あァ」
吸い寄せられるように瞳を閉じて、ゆっくりと顔を近づける。
重なる唇。
互いの熱を確かめ合うような優しく、深い接触。
一度、ほんの数センチだけ唇を離した。
微かに開いた瞳の先に、自分と同じように熱に浮かされた彼女の瞳。
互いの吐息が混ざり合い、視線だけで「好きだ」と告げ合っているような、切ないほどの沈黙。
「…………っ、……んっ、……」
どちらからともなく、再び瞼を閉じる。
今度は、先ほどよりも深く、強く。
何度も、何度も、角度を変えて唇を重ねる。
触れるたびに、冷たいはずのバーチャルの世界が溶けていく。
爆豪の舌先が彼女の唇を割り徐々に口付けを深く、濃密にしていく。
「……んっ、…………ぁ……」
彼女の喉から漏れる小さな吐息。
深く、溺れるような接吻だった。
爆豪の舌が熱を持って侵入してくると、エミリアは未知の感覚に小さく悲鳴を上げた。