Tell My World 【ヒロアカ 爆豪勝己】
第2章 初恋は、0と1の境界線上で
「……毎日、ここに来てた」
エミリアがぽつりと呟いた。
「いつログインしても、フレンドリストのあなたの名前は暗いままで。……でも、ここに来れば、いつかまた会えるんじゃないかって、ずっと待ってたんです」
「……ずっと……?」
爆豪は苦渋に満ちた表情で顔を歪めた。
「花火の日のこと、……正直、すごく驚きました。……でも、それ以上に……」
彼女は言葉を切り爆豪の方を向いた。
「もう二度と会えなくなることの方が、ずっと悲しくて。……嫌いになったから、来なくなったんだと思ってました」
「……逆だよ、バカ」
爆豪は吐き捨てるように言い、顔を背けた。
「嫌いであんなことするかよ。……俺が勝手にテメェに引き寄せられて、自制が効かなくなっただけだ。……初めてだったってのによ、あんな強引な真似して。……悪かった」
低いけれど誠実な謝罪。
爆豪の耳元は、夜の闇の中でもわかるほど真っ赤に染まっている。
エミリアはそれを聞いて、ふっと小さく微笑んだ。
「……驚きましたけど、嫌じゃなかったです」
「……っ、んなこと簡単に言うんじゃねぇ!」
「本当です。……初めてが、あなたで良かったって……そう思ったから」
「………っ、…」
爆豪は絶句し、口元を片手で覆った。
心臓の鼓動が、システム上の数値を超えて本人にまで響いてくる。
エミリアも、 自分の言った言葉の重さに今更気づいたのか、みるみるうちに顔を赤くし俯いた。
「……あ、あの……! 変な意味じゃなくて、その……安心したっていうか!」
「……わーってるよ、言わすな!!」
爆豪は乱暴に髪を掻きむしる。
互いに顔を合わせられないまま、赤くなった顔を夜風にさらしていた。
「……ったく、調子狂うぜ……」
「……ふふ、……私もです」
二人の間に、少しだけ照れくさくて、けれど温かい笑みがこぼれる。