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Tell My World 【ヒロアカ 爆豪勝己】

第1章 ようこそ『ZERO WORLD』へ


「クソが……。どいつもこいつも、型に嵌まったヒーロー像ばっか押し付けやがって」


ベストジーニスト事務所の応接室。
テーブルに投げ出されたのは、最新のヒーローランキング中間報告書だ。
初登場こそ4位という上位だったはずの俺の名前は、不本意な位置まで順位を下げていた。


「君の救助実績は文句なしだ。だが、先日のメディア対応……あれはいただけない。スポンサーからも『言葉を選べ』と苦情が来ている」


ジーニストの説教臭い声が耳の奥で反響する。
わかってる。
わかってんだよ。

だが、デクのために水面下で進めてる特注スーツの資金繰りも、俺のランクが下がればそれだけ滞る。

スキャンダル対策だのイメージアップだの、雁字搦めの鎖に縛り付けられて、爆破(個性)を出す前にこっちの頭が爆発しそうだった。




そんな時、偶々現場であいつと鉢合わせた。


「……あ? なんだ、上鳴かよ」


煙が燻る路地裏。
ヴィランを確保し終えた俺の前に、呑気なツラをした上鳴が現れた。


「おー爆豪! やっぱお前だったか、今の派手な音。相変わらずだなー。仕事終わり? この後メシ行かね?」

「あぁ? わりーが俺は忙し……」


断りかけた俺の言葉を、上鳴がニヤニヤしながら遮る。


「いいじゃん、減るもんじゃないし! お前、顔怖いぜ? 奢るからさ、な!」

「……チッ。勝手にしろ、ついてくんな」


そう言いながらも、俺の足は上鳴の後に続いた。
こびりついた硝煙の匂いと、プロとしてのクソったれなしがらみを少しだけ忘れたかったのかもしれねぇ。






現場帰りの飯の席で、上鳴の野郎がスマホを弄りながら口を開いた。


「――でさ、爆豪。お前マジで一回行ってみろって。最近のトップランカーとかも結構隠れてやってるらしいぜ?『ZERO WORLD』」


「あ?……なんだよその胡散臭ぇゲーム。興味ねぇよ、こちとら遊んでる暇はねぇんだわ」


肉を食らう手を止めず、俺は吐き捨てるように言った。
今の俺に必要なのは、ヴィランの首を獲るための訓練と金だ。

仮想世界でままごとをする時間なんて一秒もねぇ。




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