Tell My World 【ヒロアカ 爆豪勝己】
第2章 初恋は、0と1の境界線上で
「――、お隣いいですか?」
不意に、鈴を転がすような声が響いた。
ピカキチが肉を口に運ぼうとした手を止め、verdeがジュースを飲み込み損ねてむせる。
そこに立っていたのは真白なレースを基調とした、清楚ながらも目を引くドレスを纏った一人の女性だった。
目元を覆う銀の仮面が、彼女の知的な瞳をミステリアスに強調している。
「……あ?」
BLASTが怪訝そうに眉を寄せた。
だが、その声の響きに一秒と経たずに彼はその正体に気づき、心臓が跳ねるのを感じた。
「……おい、テメェ……」
「えっ、ええっ!? BLAST、知り合い……? なにこの美人さん!」
「誰……? すごく……華がある人だけど……」
驚愕する二人に構わず、彼女は優雅に、けれど少しだけいたずらっぽく腰を折って一礼した。
そして、真っ直ぐにBLASTへ手を差し出す。
「一曲、お相手願えませんか? 」
「……っ、チッ。……あぁ、分かったよ。……おい、テメェら。俺は少し外す。そこで黙って食ってろ」
「えええええええ!?」
「…BLASTが…ダンス……!? 明日、隕石降るよ……!」
背後で絶叫する二人を置き去りにし、BLASTは彼女の細い手を取って、華やかなダンスホールの中央へと踏み出した。