Tell My World 【ヒロアカ 爆豪勝己】
第1章 ようこそ『ZERO WORLD』へ
「――おい、本当に俺の家でやる必要あったのかよ」
デクと偶然会った日からすぐの週末。
爆豪のマンションのリビングには、最新型のデバイスを抱えたデクが、期待と緊張が入り混じった顔で座っていた。
「ごめんかっちゃん! でも、初めてのフルダイブで一人だと、何かあった時に不安で……。かっちゃんが隣にいてくれるなら、安心して飛び込めるかなって」
「チッ、ガキかよテメェは。……さっさと横になれ。初期設定は自分一人でやるんだぞ。生体認証(ミラージュ・スキャン)で弾かれるんじゃねぇぞ」
「うん、やってみるよ!」
デクはソファに横たわり、デバイスを装着した。
爆豪が自分のデバイスを手に取る横で、デクの視界にはあの無機質なシステムボイスが響き始める。
『WELCOME TO ZERO WORLD!!』
ミラージュ名を登録して下さい。
(『Izuku』も『Deku』も、やっぱりヒーロー公認名で弾かれちゃうか……。じゃあ、これなら……)
デクが迷いながら打ち込んだ名は、『verde(ヴェルデ)』
生体情報スキャン……照合完了。
シンクロ率 100%。
それでは、『ZERO WORLD』をお楽しみ下さい。
「……ッ、わああ……!」
感覚が反転し重力が消える。
次に目を開けたとき、そこは青白い光が降り注ぐ「エターナル・ナイト」の広場だった。
「これ……全部データなの!? 触れる……石畳の感触、空気の揺らぎ……現実と全く変わらないじゃないか……!」
隣に鋭い目つきをした男――『BLAST』が降り立つ。
「おい、いつまで突っ立ってんだ。……『verde』か。イタリア語で『緑』だぁ? 相変わらず捻りのねぇネーミングセンスだな」