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Tell My World 【ヒロアカ 爆豪勝己】

第1章 ようこそ『ZERO WORLD』へ


だが、ある日から彼の背中が変わった。
何かに取り憑かれたように、早朝から深夜までトレーニングに明け暮れ、その瞳には諦めではない強い「光」が宿り始めた。



そして、奇跡は起きた。


無個性には絶対に無理だと言われていた、雄英高校ヒーロー科への合格。


「おめでとう……。でも、どうして? 急に個性が、発現したって……」



合格報告に沸く校舎の裏で、私は彼に問いかけた。
彼は少し困ったように、でも真っ直ぐな目で私を見て言った。



「……うん。急に、個性が発現したんだ。自分でも驚いてるけど……でも、これでやっと、みんなを守れるヒーローになれるんだ。ちゃん、僕、頑張るよ!」


「……そう、なんだ。……良かったね、緑谷くん」



引き攣った笑顔を作るのが精一杯だった。
「突然個性が発現した」――そんな嘘みたいな話、信じられるわけがない。

でも、現実として彼は「個性」を手に入れ、あっち側へ行ってしまった。
私を置いて、爆豪くんや他の「持っている側」の人間たちの場所へ。





『約束だよ。私を、一人にしないで』




あの日交わした約束は、彼が特別な力を手に入れた瞬間に、私一人の呪いになった。



(…………裏切り者……)



口には出せなかった。
けれど、それからの私は彼からの連絡を無視し、彼と目を合わせることも避けるようになった。

彼が眩しければ眩しいほど、私の闇は深くなっていく。







「私には、何もない。……あの日から、何一つ変わってない」




そんな絶望のどん底で私は偶然、ネットの海に漂う一つの広告を目にした。





【 ――ZERO WORLD。ここでは、誰もが0(ゼロ)から始まる。 】




「0から……」



個性が、血筋が、運命がすべてを決めるこの世界に、私は絶望していた。


もし、すべてをリセットできる場所があるなら。



私は震える手で、当時まだ出始めたばかりの安価なフルダイブ・デバイスを注文した。



それは現実を捨て、「エミリア」として生まれ変わるきっかけだったーー。





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