Tell My World 【ヒロアカ 爆豪勝己】
第4章 ♾️
朝焼けが、血の気が引いたような冷たい色で街を照らし始めた。
不自然なほど多発した事件の火消しに追われ、爆豪たちは夜通しで働き詰めていた。
ようやく最後の一人を救急車へ送り届け、防護服やコスチュームの汚れを拭った頃には、誰もが疲労の極致にいた。
「……やっと、終わったか」
現場で鉢合わせた切島や上鳴が、安堵のため息をつきながら爆豪の元へ歩み寄ってくる。
「散々だったな、爆豪。結局、祭典には影も形も参加できねぇし」
「全くだ。今からでもダイブして、中で落ち合おうぜ。#NAME4のライブ、アーカイブで残ってるだろ」
悔しさを滲ませながらも、どこか楽観的な友人たちの言葉に、爆豪は鼻を鳴らした。
(……今更行っても、あいつに何言われるか分かったもんじゃねぇな)
そんな危惧を抱きながら、それでも胸の奥では、ようやく彼女のいる場所へ行けるという安堵が広がっていた。
だが、その空気は、近くの街頭ビジョンから流れてきた緊急ニュースによって一瞬で凍りついた。
『――現在、全国各地で緊急事態が発生しています。昨夜から『ZERO WORLD』へダイブしたユーザーたちが、一斉に意識不明の重体に陥っています。家族による通報が相次いでおり、未だ誰一人として覚醒したという報告が入っておりません――』
「……は?」
上鳴の口から、間の抜けた声が漏れた。
ニュース映像には、自宅やネットカフェでデバイスを装着したまま、眠るようにして動かなくなった人々の姿が映し出されていた。
『現在、ログイン中の全ユーザーはシステム内に閉じ込められた状態にあると推測され、無理な強制終了は脳に深刻なダメージを与える危険性があるとのことで――』