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Tell My World 【ヒロアカ 爆豪勝己】

第4章 ♾️


『ZERO WORLD』の8周年祭典。
そのメインステージが置かれているのは、今年も伝説の天空城『クラウド・キャッスル』だ。



ここに入城できるのは、年に一度のこの日、莫大な確率ながら幸運を手に入れた限られた当選者である選ばれし者と、特別な招待枠を持つ者だけ。
城からは、眼下に広がる仮想世界の全景が見渡せる。
城に招かれなかった数百万のユーザーたちは、各エリアに設置された無数の巨大ホログラムモニターの前に集い、今か今かとその瞬間を待っていた。



控え室で出番を待つエミリアは、運営から支給された特別製のデバイスで現実世界のニュースの断片を見て、爆豪が来られない理由を察していた。
画面の向こう、炎や煙が上がる現場で、誰よりも激しく跳ね回る爆炎の軌跡。



(……爆豪くんは現実世界で今、頑張ってるんだね)



今年も一番近くで見てほしいという願いは叶わなかった。
胸の奥に灯った小さな寂しさは、けれど彼も戦っているのだという確かな連帯感に変わっていく。
彼が今、現実の平和を守っているのなら。
自分はこの仮想の世界で、彼の守るべき「日常」の象徴として歌わなければならない。








8月8日へと日付が変わる。
8周年祭典の幕が、ついに上がる。





前夜祭の喧騒が収まり、会場が深い静寂に包まれた瞬間、夜空を貫く一筋の光がステージへと降り注いだ。




かつて世界を熱狂させ、そして沈黙を守り続けてきた伝説の歌姫の帰還。



アバターを最高潮に美しく整えた#NAME4は、光の粒子を纏いながらステージへと舞い降りた。




光を吸い込んで発光するような純白のドレスを纏った歌姫エミリア。
その耳元には透き通った水色のピアスが揺れ、髪にも同じ色の飾りが添えられている。


それはかつて、爆豪と「現実で会う」約束をした日に身に付けていた配色――二人だけの秘密の約束を込めた、再会のための装いだった。




会場を埋め尽くした数万の観客から、地鳴りのような歓声が上がる。




誰もが、彼女の復活を、その歌声を待ち焦がれていたーー。







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