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幻想遊園地

第1章 シンデレラ ―The Real Story―


「占い師よ。あなたは狩りに出るように言った
 そして、言う通り私は狩りに出た
 あなたは舞踏会を開くように言った。私はその通りにした
 しかし、あの娘達を見ても、私は何一つ感じない
 氷のような心は変わらない
 占い師よ・・・今日、私はあなたを呼んだ。
 すべてのことをしたが、私の呪いは解けていないではないか」

占い師はうつむいたまま、低い声で言った
それはことさら大事なことを告げているようでした

「王子よ、この大勢の娘達の中で、
 本当のそなたを見る目を持つものを探しなさい
 その娘がそなたに真の愛を教えてくれるじゃろう
 これが最後の指示じゃて、
 もし、今日・・・」

「もしも、今日、本当の私を見る目を持つ者とやらを
 見つけられなかったら?」
王子は占い師の言葉を待たずに質問した

「もし、そうであれば、お前さんは真実の愛を見つけらず、
 おそらく心の氷は一生溶けることがないじゃろう・・・」

王子は窓辺に行き、庭に次々集まってくる王女、娘達を見下ろした

「占い師よ、あの多くの娘達の中に真実を見る目を持つものがいるというのか?」

ほっほっほっほ・・・占い師は低く笑いました
「信じるのじゃ。そうれば、きっと見つかるじゃて」
占い師はそれだけ言うと、王子の間をあとにした

「真実を見る目・・・」
王子はそっとつぶやきました

王子の間を出ると、
占い師は来たときと同じように、
ゆっくりゆっくりと供の者につれられて、
庭を歩いていきました

「おや・・・おや?」
占い師は、とある親子に目を留めました
目を細めて見る先には、3人の女性がいます
少し年上の女性とおそらくその娘と思しき二人の少女
母親の方の女性はまだおとなしい上品なドレスを着ていましたが、
娘の方は、派手派手しいドレスを
これでもかというほどのリボンで飾り立てていたのでした

「まさか・・・」

占い師は供の者に、ここでもう良いと言うと、
先ほどとは打って変わった素早い足取りで庭を通り抜けました
王宮の石階段を駆け下り、まるで長年住み慣れた家を歩くかのように、厩舎に向かいました
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