第5章 未来視
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物語の終了とともに、シュン、とボクを取り巻く映像が唐突に途切れた。そして、一面がもとの乳白色の光で満たされる。
映像は途中まで・・・博士が『映像資料室』に入るまでは白黒だった。
なので、彼らが言っていた【カエラゥス】や【リヴィダス】というのが何色なのか分からなかった。それが、博士が最後の空の映像に取り巻かれるシーンで一気に色彩を取り戻したのだ。
アトラクションの演出の妙だ。
ボクもまた、博士と一緒に色彩あふれる世界に包まれ、圧倒された。
「いかがでしたか?」
ツクミに尋ねられて、『うん、すごかった・・・なんかちょっと感動した』とボクは率直に感想を述べた。
遠い未来、空の色が『青』でなくなる日が来るのかな。
そんなふうにも思った。
「若干、叙述トリック的なところがありますけれども、このアトラクションは私も好きなもののひとつなんです」
ツクミがにこりと笑う。
彼女が特定のアトラクションを好きだと言うのは初めてな気がしたので、ちょっとびっくりした。
だって、とても美しいですから。
そう続けたのだが、その美しさが『空』についてなのか、別の何かについての言葉だったのか、ボクは確かめそびれてしまった。
「さあ、次のアトラクションに参りましょう。こちらへ・・・」
すぐに彼女はもとの調子に戻る。
ボクは、また彼女に促されて、彼女の示す扉をくぐっていった。