第4章 肆
の指が、袴の布地を滑るように何度も往復し、先端を執拗に円を描いて擦り上げる。
すでに湿り気を帯びた生地が、直哉の熱をそのまま伝えてくる。
指先に伝わる脈動はますます激しくなり、限界が近いことを雄弁に語っていた。
彼女の手の隙間から直哉の声は掠れながらに溢れていく。
はそんな彼の耳朶を軽く噛み、囁く。
「袴も脱いでないのに…我慢できないなんて
直哉様、すごく可愛いです」
直哉の腰が大きく跳ね上がり、膝がガクガクと震える。
は最後のひと押しとばかりに、親指で鈴口を強く押し潰すように擦り、同時に袴の布越しに根本を握り締めた。
「――っあ゛……!」
直哉の口を塞いでいた手が、ゆっくりと剥がされ、情けない声が廊下に響いた。
抵抗する力はもう残っていない。
「んあぁっ……! あかんっ、出るっ……出るって……!」
情けないほど裏返った声が夜の庭に響く。
月明かりの下、直哉の顔は真っ赤に火照り、瞳は涙で潤み、口からは涎が垂れ落ちそうになるほどだ。
びくんっ、びくんっ、と袴の中で激しく脈打つ感触がの掌に伝わる。
熱い迸りが布地を内側から叩き、じわりと染みが広がっていく。
一度、二度、三度……と、止まらない射精の波が直哉の全身を震わせ、腰が小刻みに跳ね続けた。
「はぁ……っ、…あぁ……もう……あかんかった……」
果てた後も、直哉は小さく喘ぎながら肩を震わせる。
口を塞がれていないせいで、抑えきれなかった甘ったるい声がそのまま零れ落ちていく。
「無理や…もう…」
はゆっくりと手を離し、濡れた袴の表面を指でなぞった。
指先に絡みつく熱と粘り気に、満足げに口角を上げる。
「たくさん出ましたね…直哉様」
直哉は力なく首を振るが、言葉はもう出ない。
ただ荒い息を吐きながら、月明かりに濡れた頬を赤く染めたまま、の胸に凭れかかった。