第3章 参
果てる直前、直哉は、の熱く、ねっとりとした口づけに思考を奪われたまま、最後の欲望を彼女の中へと放出した。
激しい絶頂の波が去った後、彼の身体は糸が切れた人形のように力を失い、畳の上に崩れ落ちた。
荒い呼吸を繰り返しながら、彼はただ天井を虚ろに見つめ、自分がどれほど無様な姿を晒しているのかを理解しながらも、身体を動かす気力さえ湧かなかった。
「……っ、はぁ……はぁ……っ。……自分……ほんまに、化け物や……っ。」
やっと解放された肉棒は、力なく垂れ下がり、まだ微かに痙攣を繰り返している。
その情けない様を見られているという事実に、直哉は薄ら笑いすら浮かべられなかった。
しかし、は昨夜と同じように、彼の身体を丁寧に拭い、乱れた布団を整え、そして優しく彼を横たえた。その手つきは、まるで壊れ物を扱うかのように慎重で、温かかった。
直哉の頭はゆっくりとの膝にのせられた。
性愛以外の肌の触れ合いに直哉は思わず目を閉じる。
彼女の柔らかな太ももに頭を預け、額の汗を優しく拭われ、髪を撫でられる感覚は、今までの激しい快楽とは別種の、静かで深い安らぎを彼にもたらした。
「無理をさせましたね…申し訳ありません」
「…はっ、何言うとんねん。加減するつもりなかったやろ…」
彼は目を閉じたまま、掠れた声で呟く。
しかし、その声には非難の色はなく、むしろ自嘲と、そして微かな満足感が混ざっていた。の膝の温もりと、彼女の優しい手の動きに、直哉は身を委ねる。
「……けど、ええわ。自分の力は……っ、認めたる。……次は……負けへんからな。……自分の体、完全に、俺のモンにしたるわ。……覚悟しとけや、ちゃん……っ。」
そう言いながらも、彼の声は次第に弱々しくなり、やがて規則正しい寝息へと変わっていった。の膝の上で、禪院家の跡取りは、まるで子供のように安らかな寝顔を見せていた。