第5章 不倫捜査の同行ヒーローが恋人だった件 爆豪/轟/???
「…焦凍。私の仕事内容は知ってるんだよね?」
「不倫調査だろ?」
「そう」
「凪が普段どんな仕事してるのか気になってた。所長からは仕事が終わればホテルでゆっくり休憩してくればいいって言われてる」
「焦凍、それ、意味分かって言ってる?」
「そのままの意味じゃねぇのか?」
きょとんとした顔で返されて、思わず言葉に詰まる。
「もういい。それはまたあとで説明するね。とりあえず、事前情報では相手はパワー系の個性持ちみたい。もし気付かれちゃったりしたら、フォローをお願い」
「ああ。そのための同行だ。凪に危害は一切加えさせねぇから大丈夫だ」
「うん。…よろしくね」
カバンの中のサポートアイテムを確認しながら、短くため息をつく。きっと焦凍は今から出向くラブホテルがどんな場所なのかを知らないんだろう。それを説明するのも、下心があるみたいに見えて言えるわけもない。
なんでこんなことに…そう思うけど、隣を歩く焦凍の横顔はどこか嬉しそうだった。
恋人という設定。少しだけ私情を挟むのも悪くないのかな、そんなことを考えながら夜の街を歩いた。