第5章 不倫捜査の同行ヒーローが恋人だった件 爆豪/轟/???
だけど、冷たいシャワーを浴び続けても、身体の熱は一向に下がる気配がなかった。さすがの勝己も様子が気になったのか、浴室の外にその気配がする。
「おい、凪」
扉越しに低い勝己の声。慌ててシャワーを止めてバスタオルで素早く拭きあげる。返事をするとすっと開いた扉には勝己の姿があった。
「いつまで入っとんだ。ぶっ倒れるぞ」
「ごめん…。なんか、うまく熱が逃げてくれなくて」
「ハァァ!?……顔、赤くねぇか?」
「相手がアルコールでも飲んでたのかな?」
「そういうのももらうンか?」
「たまにね…。でも、大丈夫。……多分」
浴室から出た瞬間、ぐらっと視界が揺れた。倒れそうになった身体はしっかりと勝己に受け止められている。
「フラフラしてっと倒れンぞ」
「……私、何か拾っちゃった?」
そういえば二人の会話で何か盛るって言っていたような…気もする。アルコールなら時間経過で戻るけど、変な薬や個性を受けていたら、多分、ヤバい。いや、相当ヤバい。絶対勝己に怒られる。
「オイ、大丈夫かよ」
脈も早くて心臓はうるさいくらいに高鳴っていた。なのに、なぜか感情が冷たく冷えていく感じがしていた。
「勝己、先に帰っていいよ…。もう、報告もしたし、私、少し休んでから帰るから」
「ハァ!?」
「ほんとごめん。……なんでだろう。一緒にいたくない」
誰の言葉なのか一瞬、理解できなかった。支えられている腕に力が篭る。
「……向こうの個性の影響でも受けたか?」
「多分…」
「マジかよ」
「だから、勝己は帰って」
「目が座ってんな」
「そう?そう見えるんならそうなんじゃない?」
「はっ、性格まで変わりやがって」
「そのうち戻るから。だからさっさと帰って」
普段はこんなこと言わないのに、別人のようだった。