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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第26章 生活編


机の引き出しから封筒を取り出し、手に抱えて戻ってくる。

何事かと見やるあなたの隣に、腰を下ろして向かい合った。

「あのね、驚かないでね」
「えっなに?」
「これ、君に渡したいんだ」

彼は手紙から1枚の黒いカードを取り出す。それを見た瞬間、あなたはすぐに重大さに気づいたようだった。

のけぞるように恐れおののき、首を小刻みに振っている。

「そ、それは、まずいよヴィクトル、それもしかしてカード⋯っ?」
「うん。そうなんだ。俺ね、君にも持っていてほしいなって、ずっと考えててさ」

真剣なトーンに彼女も落ち着きを持とうとしてくれたが、瞳は動揺を隠せないでいる。

「でも、危ないよ⋯!」
「危なくないよ、いいかい、君の手の中が一番安全なんだ、俺にとって」

それは、彼が一番心をこめて言いたかった台詞だった。
聞いた瞬間、あなたも彼の瞳をゆらゆらと捉える。

「本当だよ、名無しちゃん。ねえ、俺達のこの指輪、婚約の証として交換したでしょう? このカードも俺にとっては、単なるお金のためのものじゃないんだ。俺は自分が持ってるもの、君と共有したいなって思ってる。二人の生活を一緒にしていくっていう意味をこめて、これを君に持っていてほしいなって」

だからこれは、自分にとって信頼の証なのだと、ヴィクトルは誠実に伝えた。

彼にとっても、勇気がいることだった。
どう伝わるか、かなり恐れていた。

しかし、それは乗り越えなければならない道のりでもあった。
あなたのことを、どんな時も支えられる男でありたいからだ。
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