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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第26章 生活編


週末を迎え、二人は品揃えのよい大型スーパーで買い物をした。

前もってチラシをチェックし、会計時にはベルトコンベアをたくさんの食料品と日用品が流れていった。

満足したヴィクトルが晴天の下、駐車場でカートを引いていると、隣のあなたが楽しそうな様子でついてくる。

「すっごい人多かったね。でもいっぱい買えたね」
「ほんとだね。名無しちゃんもちゃんと欲しい物入れた?」
「いれたよ。コーヒーとシリアルと、お肉類と――」

個人的にという意味だったのだが、二人に必要なものを挙げるあなたがヴィクトルは愛しく感じた。

車に到着し、トランクに入ったカゴに二人で品を移していく。
こういう共同作業にさえ、一緒に住んでいるという感覚が増して嬉しくなる。

すると彼女は、「わあ」と驚きの声を上げた。

「ヴィクトル、スプレーとプロテインずいぶん大量に買ったね」
「うん、安い時は買い溜めしておくんだ」
「いいね。…でも、これいつもどこにあるの? 家で見たことないよ」

彼はぎくりとする。
確かに制汗スプレーはまだしも、プロテインの箱はキッチンの奥にある倉庫に隠してあった。

あなたが見ていないときに、彼はそれを飲むことが多いのだ。
そう明かすと仰天された。

「だってさ。なんか恥ずかしくてね。いい年した男が必死にこんなもの飲んで鍛えてるのかって思われたら…」
「ええ? そんなこと思わないよ。飲むの普通なんじゃないの? このぐらい立派に鍛えてる人は」

あなたがからかうような笑顔で、外なのにTシャツからのぞく腕をぷにぷにと指でつまんできた。
彼は腰の力が抜けそうになる。

「あっ、ちょ⋯⋯! そ、そう……? じゃあいいか。少しぐらい、君に格好悪いところ見られても」
「そうだよ。もうすぐ結婚するんだもんね。って全然格好悪くないけど」

ふふ、と笑う彼女に異様にドキドキさせられながら、彼はひそかに胸をなでおろした。
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