第26章 生活編
数日間、昼も夜も暑い日が続き、とうとう限界が近づく。
最近は夜も十分に眠れず、寝汗で起きてしまっていた。
今日は木曜日で、彼に会う週末まで時間はある。
朝にニュースを見ようとテレビをつけると、あなたの顔が激しく引きつった。
「……はぁっ!? ここから二週間ずっと35度!? ……ありえないでしょ、太陽のばかっ!!」
怒っても仕方ない対象に憤怒し、地団駄を踏む。
あなたは恋しいヴィクトルの顔がよぎった。
『我慢してないで、早くうちにおいで』
と優しく愛情深い顔つきで呼び寄せる彼のことが。
まだ熱のこもった室内で、あなたの表情が段々と溶かされるように穏やかに変化し、とうとう決意を固める。
簡単に荷造りをして、職場にも大きなカバンを持っていくことにした。
午後七時にはブティックを出て、ヴィクトルのマンションへ向かう。
今日も帰宅が遅くなるはずの彼には、メールで事情を伝えておいた。
ロビーを抜けて最上階へ向かい、玄関コードを入れて室内へ入った。
「おじゃましまーす…」
明かりがつく廊下をひたひた歩き、がらんとしたリビングへ荷物を置いた。
あなたは申し訳ないと思いながらも、疲労と汗でふらふらの体を、先にシャワーで流すことにした。
体が綺麗に整うと、寝室の冷房をつけて、綺麗にベッドメイクされたシーツへ寝そべる。
「ああ~最高……ごめん、ヴィクトル……」
先にご飯を作ろうと思ったけど、少しだけ休もう。
そう考え、あなたはすーすーと寝入ってしまった。