第25章 実家訪問編
「毎日一緒にいたいってこと?」
「うん」
手を握ったまま、彼は何気なく答えた様子だったが、あなたは隣に身を寄せた。
「今年、一緒に住めるよ」
「本当? いつ?」
彼があまりにも素直な明るい表情になったから、あなたの顔がほころぶ。
「そうだね……いつがいいかな。でも、私がここに上がり込む形になるんじゃない?」
自分のアパートにも彼は喜んで来てくれるけれど、生活をするなら、多忙なビジネスマンとして働く彼にとって、ここ以上に最良の住居はないからである。
「君さえよければ、それでも俺は嬉しいよ。でも、ここは俺の好みで作っちゃったところだからね。新生活を始めるとなると、君が気に入った空間で過ごしてほしいとも思うんだ」
そう思いやりをもって伝えられ、年越しのときに彼が言ってくれた言葉を思い出す。
「それに、その……もし人数が増えたら、違う場所っていう選択肢もあるのかなって」
ヴィクトルがわずかな照れを隠すように、一瞬違う所を見つめたため、あなたは大きく目を見開く。
「そっ、そうだね。そうかもしれない、うん!」
まだ互いにはっきりとは言わなかったけれど、胸のうちから湧き上がる嬉しさのあまり、大きく反応をしてみせた。
すると彼も感動的な面持ちになり、二人で少し顔を染めて微笑み合う。
――そっか。彼も、そういうことを考えてくれてるんだ。
あなたはまるで、夢の続きにいるように、その現実が嬉しかった。