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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第24章 対面編


そうして皆と別れ、二人きりになった。
駅前でタクシーを待っている間、今日の話に花が咲く。

「はーっ、終わったねえ。ちょっとハプニング続きだったね。ヴィクトル、うちの身内に引いたんじゃない?」
「あのねえ。まったく問題ないよ。いいかい名無しちゃん、俺達の飲み会はあんなもんじゃない」

真面目な顔で断言されると、こちらもくすくすと笑いがもれる。
彼がそう言ってくれて、本当に安堵した。

結婚したら、恥ずかしい場面もいつかは見られてしまうだろうから、ある意味よかったのかもしれないけれど。

「ああ……嬉しいな。君のご両親は、ほんとに素敵な人達だったね。もちろんイリスさんも」

そう話すヴィクトルの横顔をちらりと見つめる。
賑やかな場面を回想するように、今はもう完全にリラックスしてるようだ。

「ありがとう、私も嬉しい。でもヴィクトルのおかげだよ。皆やっぱり大好きになったね。ふふ」
「…そうかな? だったらいいんだけどなぁ」

鼻をかいて瞳を細める彼がいとおしい。

最後の父の誘いにも、心から喜んでいる様子だった。

「ほんとにうち来るんだ……あぁ……恥ずかしいんだけど」
「もう、どうして? 名無しちゃんが育った家で一緒に過ごさせてもらえるの、俺はすごく楽しみだよ」

高さの違う肩が優しく小突いてきて、あなたは照れた顔になる。

「…じゃあいいか。でも笑わないでね」
「またそれかい。俺どんなイメージなんだろう」
「だってヴィクトルのおうちと絶対違うもん。……あっ、ヴィクトルのお母さんお父さんにもご挨拶しないとね」

あなたは話題を移り変わらせ、両手にぎゅっと力を入れる。
彼はそっちの問題はほとんどないというように、あなたの肩を抱き寄せた。

「心配しないで、まず君の家族と過ごす時間が大切だからね。それからでいいよ、俺のとこは」
「本当?」
「うん。結婚するんだからお前はきちんとしろ、が今の親の口癖だからね。……よし、頑張るぞ名無しちゃん!」

ヴィクトルはまだまだ頼もしいやる気モードだ。

あなたはそんな彼に自然に顔がほころび、肩に頭をちょこんと乗せて癒されていた。
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