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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第24章 対面編


ヴィクトルと交際を始めて半年が過ぎた。
今日はそんな二人にとって、ひとつの節目といえる出来事が待っている。

「あれ、早く着きすぎちゃったかな」

あなたは金曜の仕事終わり、駅の中央ホールで彼と待ち合わせをしていた。
吹き抜けの空間へ入っていくと、柱の前に人目をひく長身の男が立っている。

彼は紺のスーツに身を包み、シャツとネクタイをきゅっと締めて、まるでモデルのようだ。

「えっ……ヴィクトル? 髪、切ったの!?」

だがあなたがまず仰天したのは、こちらに気づき途端に柔らかい笑みを浮かべた彼の、短くなった黒髪だった。

「おっ名無しちゃん! うん、切ってみたんだ。どうかな、変?」

照れた様子で顔を傾けられ、あなたは勢いよく首を振って、瞳を輝かせた。

「ううん、すっごい素敵……!! こんなに短いの初めて見たよ、耳と首が見えてる! ウェーブもなくなってるよ!」
「ふふ、すごい興奮してるね。気に入った?」
「もちろん! 長めも大好きだけど、短めもセクシーさが増してるねえ」
「そうかい? 俺としては男らしさを目指したんだけどな」

もうすでに男としての魅力をふんだんに発揮している男性が、顎を触って意味深につぶやく。

でもあなたは分かっていた。
今回髪を切ったのは、こうして恋人を喜ばせるためだけではないのだ。

それから、イルミネーションの灯る夜の通りに出た。
二人で目的地のレストランまで歩いていく間、あなたは隣をちらっと見上げる。

「ヴィクトル、気合い入ってるね。ちょっと緊張してる?」
「うん、それはしてるよ。君のお母さんとその親友の女性にお会いできるんだからね。でも大丈夫、同時にすごく楽しみなんだ」

にこっと笑いかけられ、こちらも興奮気味にうなづく。

そうなのだ。今日は誰もが待ちに待った、彼と自分の家族を初めて対面させる日だった。
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