第23章 来客
「ん? なんでしょうかヴィクトル。僕のことが気になりますか」
「いいや君じゃない。気にするな」
「おかしいですねえ。まさかこのイケメンに生まれ変わった僕のことが……あなたの脅威に映ってるんですか!?」
急に胸を張りだしてわざとらしく目を剥いた弟分の姿に、ヴィクトルは白けた顔をしていた。
「ははっ、どうして俺が君にそんなことを?」
「だって今日はやけにあなたの視線をひしひしと感じるんですよね。フフフ……これが男からの羨望の眼差し、モテるというやつなのか!」
「おい。お前の弟ちょっと調子乗りすぎじゃないか」
「乗らせてやれよ。お前相手にいい気になれる奴なんてそうそういないぞ」
フロリアンがさらりと答えると、顔を合わせた大人二人は、やがてくつくつと笑い出す。
近くで聞いていたあなたはどんな反応をしていいか分からず、照れながらヴィクトルに寄り添った。
「そうなの? ヴィクトル。ちょっと面白くなかったの?」
「うん? ちょびっとね。まあ君達が仲良くなるのは嬉しいよ。でも首はちゃんと掴んでおかないとな」
冗談ぽく言うヴィクトルにあなたの表情は驚きつつも緩んでいく。
彼の瞳は優しく、ともすると指先が伸びてきて頬をなでられそうな雰囲気だったが。
「あのー、仲良さそうなところちょっといいですか」
「なんだよまだ何かあるのか。もういいだろう今日は。楽しかったよな、クリス」
「ちょっと! 勝手に締めないでくださいよ! まだ名無しさんに見せたいものがあるんです」
「ああ?」
面倒くさそうに素を表すヴィクトルの前で、クリスはあなたにスマホを取り出してみせた。