第23章 来客
その後もわいわい会話が弾み、軽やかな冗談が飛び交う。
そんな中、クリスが突然あなたの近くにやって来た。
「名無しさん、今日は僕のコーディネートをこれだけ助けていただき、本当にありがとうございました。この御恩は一生忘れません。あなたにお礼がしたいので、どうぞなんなりと」
「えええっ、全然大丈夫ですよ、私も心から楽しんじゃいましたし、とっても勉強になったので。何よりクリスさんが喜んでくれてとても嬉しいです。どうぞ気にしないでください」
すっかり外見に自信を持ってくれたクリスだが、変わらぬ丁寧さにあなたも同じように返す。
しかし彼はじっとあなたのことを見つめ、首を振った。
「いいえそんなわけにはいきませんよ。見てください今日の僕を。これだけ変わったのはあなたのおかげですからね」
「いやいや、クリスさんの生まれ持った存在感のおかげですよ。⋯あっそうだ、じゃあ今度カフェモカおごってください! 私好きなんです」
「そんなことでいいんですか、もちろんですよ。ではひとまずあなたのカフェモカは僕が担当しましょう。飲みたいときはいつでも呼んでくださいね」
「はい、ありがとうございます」
そんな二人のほのぼのとしたやり取りだが、実はすぐ近くでヴィクトルが体を傾けてじっと眺めていた。
彼の表情は普通だが、様子を見ていたフロリアンはどこか口元がわずかに動いている。