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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第23章 来客


土曜日の午後、ヴィクトルのマンションに来客があった。
ちょうど滞在していたあなたは、リビングから早足で玄関へ向かう。

「クリスさん、いらっしゃい!」
「こんにちは、名無しさん。今日はお二人で過ごしているところ、お邪魔してしまいすみません」
「いえいえ、来てくださって嬉しいですよ。さあどうぞどうぞ」

彼の家ではあるが快く迎える。
後ろから現れたヴィクトルも微笑んでいたのだが、クリスの大荷物を見ると怪訝な顔をした。

「やあクリス。そんなトランクまで持ってきて、また俺と旅行に行きたいのかい」
「違いますよ。せっかく今日は名無しさんに素晴らしいファッション講義をしてもらうんですから、僕も気合いが入ってるんです」

すでに誇らしげな部下は、笑いをもらすあなたと一緒に、堂々と荷物を運び込んだ。

さっそく中身を見せてもらう。
多くのトップスやジャケット、パンツとシャツ、小物類まで入っていて、このまま二週間の旅行に行けそうなほどだ。

「これは選びやすいなぁ。助かりますクリスさん!」
「何をおっしゃいます、今日は僕は生徒ですからね。厳しくシゴいてください。どんなダメ出しでも受け入れますよ」

あなたが張り切って衣類をチェックしている傍らで、彼もだんだん緊張した面持ちに変わっていく。

最初からそんな風に盛り上がっている二人を気にかけながら、ヴィクトルはコーヒーを準備してくれていた。



今日はクリスの念願が叶った日で、ブティックで勤めるあなたに「服装センスに助言がほしい」というテーマなのだ。

それは彼の、長年どうして自分は女性に中々人気が出ないのか、という悩みからもきているらしかった。

でもあなたは首をひねる。
30歳のクリスは物腰が丁寧で優しく、しっかり者で気配りもできる男性だ。
距離感もきちんとしているし、話も面白く楽しい人物である。

服装はややきっちりしすぎているが、そこを自然に崩せばより魅力を引き出せるだろうと考えていた。
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