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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第22章 出張編


『ああ、俺は大馬鹿だ。今すぐ君を抱きしめたい。なぜこんな遠くの国にいるんだろう』
「……大丈夫だよ、ヴィクトル。あと9日だし。すぐだよ。そのときになったら……。うぅ、ごめんね大変な仕事中に。本気で忙しく仕事してる人に、私は自分のことばっかり考えちゃって……」

じわじわと反省に呑まれ、自責の念に駆られる。

だが彼はあなたに対して、包み込むように瞳を細めた。

『いいや、そんなことない。君は俺のことを考えてくれただけでしょう? 君を不安にさせたのに、焼きもち妬いてくれたのかななんて、密かにドキドキしてしまった。ごめんね』
「……う、ううん。その通りだし……だって嫌なんだもん、ヴィクトルのそばに可愛い女の子がいたら……」

思わず本音をこぼしてしまうと、彼は黒く美しい瞳を余裕なく揺らした。

『あぁ、名無しちゃん……君以外のどこに可愛い子がいるんだい。俺はそんなの見たことがない』
「ふふっ。甘いなぁ…ヴィクトルは。たくさんいるよ」
『いないよ。今目の前にしかいないね』

本気で告げられる甘い台詞に、あなたは視線をさまよわせたあと、こっそりと口元を緩めた。

曇っていた心はいつもこんな風に、彼によって、いつの間にか取り払われてしまうのだ。

「なんだか嬉しいなぁ、こうやって話すの。メッセージも毎日すごく幸せで大切なんだ。でもやっぱりビデオ通話のパワーってすごいね」
『そうだね。これがなかったら俺は確実に干からびてただろうね』

冗談まじりに肩をすくめられ、つい吹き出してしまう。

そのあとも二人の話は尽きなかった。お互いのことを話していたら、あっという間に一時間以上が過ぎ去る。
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