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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第22章 出張編


訪れたのは古風な商店街の一角にある香水店だ。
ここはヴィクトルが前もって調べた、知る人ぞ知る由緒ある店鋪だった。

なんでもこの国の一部でしか取れない特別な香料を使ってるらしく、彼はそれが気になっていた。

店にいた細身の制服姿の男性店員に目的を告げると、彼も一緒に選んでくれる。

「恋人の女性への贈り物ですね。彼女のイメージをお聞きしても?」
「ええ。一見儚げで、でも内側は芯がしっかりとした、温かくも気丈な強さを持った人なんです。あとは、そうだな。彼女は本当に、信じられないほどにとても可愛い。写真を見ますか?」
「なるほど。確かに美しい方だ。詳細に教えて頂いて助かります。ではこのような感じは――」

二人の麗しい男二人が、優雅に真剣に品物を選ぶさまを、クリスは物珍しそうに凝視していた。

だが上司の変貌をすでに理解していた彼はくすりと笑い、自分も別の店員に助言を求めることにする。

「あのですね、僕はとにかく、女性に人気が出そうな香りを求めているんです。確かな効力がありそうなものをお願いします」

そう決意を込めた瞳で、彼もまたお気に入りの品を見つけ出す。
夕方には二人とも満足顔で店を後にすることが出来た。




それから夕食のバーを探す道の途中、二人は会話をしながら歩いていた。

ヴィクトルはじっくりとあなたのことを考える時間に癒されたのか、明らかに表情が柔らかである。

「あなたがお土産なんて買ってるところ初めて見ました」
「そうだろう。俺もだよ。なんていい気分なんだろうね」

きっと渡す姿を想像してるのだろうと、その浮かれた姿をクリスは笑う。

だが段々と、自分も現実に向き合わざるを得なくなってきたようだった。

「……ああいいなぁ。僕も幸せになりたいな。誰かいませんかね、ヴィクトル」
「なんだい、いきなり。今日はずっとそれだな。俺が自慢しすぎたか? 気にするなよ」

昔のように金髪をくしゃっと触られて励まされ、ふいに童心が蘇ってくる。

だがあの頃よりも、大人になった自分の足取りは、だいぶ確かなものになったと感じる。
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