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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第22章 出張編


昨日、二か国目に到着したヴィクトルは、新規企業訪問や取引先との夕食を済ませた。
そして日曜となった今日は、初めての休日だ。

しかし彼が動きを止めることはなく、午前中は滞在先のホテルで中間報告書を作成していた。

「――はあ。もうこんな時間になってしまったな。そろそろ行くか」

しばらく集中していた広い部屋のデスクから離れ、身支度を整える。

スマホで連絡をしたあと、彼はスーツではなく私服をまとい、暗色のキャップをかぶって出かけた。



今朝は六時に起床し、ホテル上階にあるジムへ行った。出張中は会食続きで体型が変わりやすいため、気を遣っている。

今は恋人のあなたがいるから、なおさら彼は良い汗を流した。

午後になるとヴィクトルは高級ホテルの外で、待ち合わせをしていた。

彼はダウンジャケットと細身のスラックス姿だったが、帽子をかぶっていてもスタイルの良さが目をひいている。

「お待たせしてすみません! こちらも報告書を送信した後で準備に時間が――あれ? あなた、ずいぶんカジュアルな恰好ですね」

小走りで近づいてきたのは部下のクリスだ。
横分けに整えられた金髪に上質なコートをまとい、ニットと艶のある革靴に、ブランドもののバッグまで揃えている。

のほほんとしているクリスを見たヴィクトルは、わずかに眉間を寄せて全身を眺めた。

「今日は休日だからね。そんな目立つ服装で行くのか? スられるぞ」
「大丈夫ですよ、気をつけますから。あなたに合わせたつもりだったんですがね。さあ行きましょうヴィクトル。休日も一緒に過ごせて嬉しいですよ」

うさんくさい笑みを見せた弟分のクリスに、ヴィクトルは肩をすくめながらも笑い返してやった。




出張中は毎回というわけではないが、治安リスクを鑑みて長い外出の際は部下と過ごすことがある。

クリスと一緒の時は、親友の弟であり少年の頃から知る仲なため、行動を共にすることが多かった。

クリスは何かとヴィクトルを慕っているのだ。それにはこんな理由もあった。
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