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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第22章 出張編


翌日の日曜日、あなたは親友のセリアとカフェバーで待ち合わせしていた。

夕方に先に着き、仕切りのあるテーブル席でひとり、スマホをタップしてめくっている。

「ああこれ、作ってくれたケーキだ。可愛いなぁ……」

彼が出張へ行って一週間。短いようで長く、あっという間な感覚はまったくない。

こうして暇なときには思い出の写真を見返し、楽しい気分と淋しい気分を行き来していた。

「ハロー、元気ーっ!? って何してんの名無し! 彼氏の写真なんて見返しちゃって!」
「うわあああッ、びっくりさせないでよっ」

突然背後から肩を揺さぶられて、振り返る。

するといつもの細渕の丸眼鏡にボリュームあるロングカーリーヘアの親友が、笑顔を向けてきた。

彼女はくるりと正面にやって来て、劇団帰りの大きな荷物を置いて座った。
手早く注文し、あなたをつぶらな瞳で見やる。

「ヴィクトルさんいなくて寂しいんだね。わかるわかるぅー」
「ちょっと……からかってない? まあ確かに寂しいんだけどさ。…あっでもね、昨日会社の同僚の女性達が来てくれたって話したでしょ、それでこんな凄いのもらっちゃって――」

あなたは頬を緩ませて、わざわざ持参した写真を鞄から出した。

「おおーっなにこれすごい! ヴィクトルさんイっケメンだなぁ~! クリスさんも若っ! アンドレイさん変わらねぇ~っ」

この間の忘年会で会った顔ぶれを見つけ、二人でおおいに盛り上がる。

好きな人の写真でここまでテンションが上がるのは、まるで学生に戻ったかのようだ。

料理が到着してからも、近況を踏まえたお喋りは止まらない。あなたは久々に感情を思いきり爆発させ楽しんでいた。

「でもさ、思うんだよね。やっぱり会社員の人と付き合うの初めてだし、こういう出張とかも彼は頻繁にあるわけだしさ。寂しくなったりするの普通だとは思うんだけど。なんか私、ちょびっと依存しちゃってるのかな、とか……」

気にしないようにしてもメールを待ってたり、そういう不安定な気持ちを包み隠さず親友に話した。

また笑い飛ばされるかと思ったが、意外にもセリアは真面目な表情を横に振った。
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