第22章 出張編
「そうだったんですか、じゃあもらわないほうがいいんじゃ…!」
「ううん、もらってちょうだい。元カレのものなんて、後生大事に持ってるほうがおかしいんだから。そう思わない?」
「……お、思います。元カレのものなんていらないですよ、何も!」
あなたが急に前のめりになって同意すると、二人は若干顔を見合わせていたが、すぐに吹き出すように笑ってくれた。
「よかったー同じ気持ちで。じゃあそれ、大事にしてあげてね。今は部長、出張で少し寂しいかもしれないけど、大丈夫だよ。仕事も成功させて、いつも無事に帰ってくるからね」
「はいっ! ありがとうございます!」
「ふふふ。またうちらも来ますからねー名無しさん。今度お茶でもしましょうよ、先輩の家で」
「はいっ是非! あ、いや、すみません勝手に」
「いいよいいよ。寂しいからいつでも来て」
こんな風に年がバラバラな三人は、最後まで笑みが続き、楽しく別れることができた。
ヴィクトルがいない間のちょっとした時間のことだったが、自分にとっては素晴らしい瞬間になったのも間違いない。
今回の訪問を伝えたら、きっと彼も喜んでくれるだろう。
それにもうひとつ、あなたはひそかに彼女達に感謝をしていた。
あのミーガンについて、とくに何も言わないでいてくれたことを。
この件や彼らの仲がどうなってしまったのかは分からないが、今日のように普通に接してくれたことも、二人の優しさだと感じたのだ。