第22章 出張編
「あの、これオリジナルのキーケースのノベルティなんです。よかったら使ってください。こちらに一緒に入れておきますね」
「可愛い~ありがとう! あ、そうだ。大事なこと忘れてた、これ渡そうと思ってね」
帰る間際、マグダがあるものを手渡してくれた。
今日は仕事モードと友人モードの中間にいたあなたが、それを見て愕然とする。
「えっ……待ってください……これって……ヴィクトル……?」
「そうなの、部長の写真! 五年ぐらい前かな、クリスマス会のやつなんだけど。微妙に若いでしょう? 名無しさん欲しいかなと思って」
「欲しいです!!」
「はは、すごい食いつきですね~。愛されてるんだな部長。今度教えてあげよー」
何気に鋭いケイトの突っ込みもすぐ耳に入らないほど、あなたは興奮してその数枚の写真を食い入るように見つめていた。
本当にいいのかと尋ねたら、「私が持っててもしょうがない」と言われ甘えることにする。
爽やかなスーツ姿のヴィクトルが、この前とは違う雰囲気の会場にいて、もう少し若い社員らと笑顔のカメラ目線で映っているものだ。
「ありがとうございます、マグダさん。宝物にしますね、へへ」
「よかった、喜んでくれて。やっぱり必要な人のところにあるのが一番いいからね」
「ちなみにその左端に映ってるの、先輩の元カレです」
「……えっ、本当ですか!?」
あなたは急に言われて度肝を抜かれた。
マグダを見やると彼女は否定もせず真顔だった。