第20章 大晦日
「君が今言ってくれたように、これからは一緒だからね。君もだし、俺も。もう寂しいことは起こらないよ」
とても真面目な声が断言してきて、あなたは目尻が濡れながらも口元が笑んできた。
彼の優しさにいつも救われている。
「ありがとう。ごめんね。お酒飲んだ次の日って、なんかしんみりしちゃうの」
「わかるよ。二人ともすごい飲んだからな。でも楽しかったよね。今日も君といられて嬉しいよ、俺は」
「⋯⋯うん。私もだよ」
間近で見つめ合って、互いの瞳は柔らかく変化していく。
彼の唇があなたの口に触れ、あなたはしっかりと膝の上に座ったまま、しばらくキスをしていた。
初めての二人の年越しは、こんなふうに特別な雰囲気だった。
しかし深夜十二時が近づいてくると、自然と二人の気分は高揚していった。
冬真っ只中の寒いバルコニーに出て、ダウンを着込み、街と空の境界線を眺める。
「わあっ、花火の音がすごい! あっ、もう始まっちゃってる!」
「ほんとだ。気が早い奴らだな」
笑いながらヴィクトルは同じように空を見やり、カウントダウンを心待ちにした。
腕時計を見つめ、にこやかな表情であなたに伝える。
「もうすぐだ、いくよ名無しちゃん!」
「うん! 5、4、3、2、1……新年おめでとうーっ!!」
「おめでとう!! 今年もよろしくね、愛してるよ!」
隣から熱烈な告白をいの一番にされて、唇を奪われる。
あなたはとろけそうな視界の端に打ちあがる丸い花火を見た。
何発も空に舞い上がり、ひゅるひゅると風情のある音のすぐに、大きな爆発音にびっくりする。
「きゃぁっ! やっぱり音でかいって! 怖いよ、やりすぎだよ! 近所の人おかしいでしょう!」
「はっはっは! 楽しそうだよね、来年は俺もやろう」
「ええーっ」
「一緒にやろうよ、面白いよ!」
まるで少年のように目を輝かせ、テンションがものすごく上がっているヴィクトルを初めて見た気がする。
自ら打ち上げる花火の爆音は恐ろしいが、彼と一緒ならばもしかして気が変わってしまうかもしれない…とも思った。