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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第20章 大晦日


「恋人同士なんだから問題ないでしょう? たまに酔って互いに大胆になっても、俺は幸せだなって思うだけだよ」

なだめるように笑み、あなたの髪ごと撫でてくれる。
ヴィクトルは互いにと言ってくれたが、昨日は自分だけかなり乱れてしまい、むしろ彼には手厚く介抱されてたように思う。

「恥ずかしい……でもありがとう……私も幸せ……だよ…」
「おいおい名無しちゃん。そんな消え入りそうな声で。大丈夫、変なことしてないから。元気だして」

遠い目をしていると、面白い慰め方をされる。
あなたは申し訳なさとともに彼の深い愛を嚙み締めた。しばらくして顔を上げ、踏ん切りのついた表情をする。

「……よしっ! 今日は大晦日だ! なにする? 花火?」
「急に元気出たね。ははっ、ほんと可愛いな君は。花火はね、バルコニーから見るって約束したでしょ。それとも俺が打ち上げるとこ見たかった?」
「い、いやいい。花火怖い。他の人の見るだけにしよう」
「はっはっは!」

彼の大好きな笑い声が響き、あなたも段々気が抜けてきて肩を揺らした。

昨日の忘年会に参加したことも、大きな驚きだった。
その上こうして今年最後の日を彼と楽しく目覚められるなんて、本当に自分は幸運だ。




この国では、一年の最大イベントは家族が集まるクリスマスである。それが終われば年越しも新年も、だいたい皆好きなように過ごす。

あなたも一人暮らしを始めてからは、友人とパーティーをしたり、去年までは元カレと過ごしたりしていた。

今年の大晦日はテーブルに用意した夕食のご馳走を見ながら、ふと物思いにふけっていた。

「名無しちゃん、本当にフォンデュでよかったの?」
「……うん! ヴィクトルのおうちの伝統なんだよね。うちはラクレットだったから新鮮だなぁ、見てみて美味しそう~。お肉もいいお肉使ってるねえ!」
「一緒に食べるから奮発しちゃったよ、シーフードもあるんだ」
「やったー!」

あなたはたっぷりのとろけるチーズに、彼の真似をして具のついた銀の串を差し入れ、熱々のまま口に運ぶ。
どれも素晴らしい風味で、冬の特別なディナーにぴったりだと思った。

開放的なリビングにある食卓の向かい側では、部屋着姿のヴィクトルがくつろぎ、微笑みを向けて食事している。
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