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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第19章 忘年会編


ミロの掛け声で男性陣はぞろぞろと立ち上がった。
注目されたあなたも背筋を伸ばし、隣で微笑むヴィクトルのそばで途端に緊張がつのってくる。

見るとセリアとエリックも仲睦まじく寄り添い、あなた達のことを優しい眼差しで見つめている。

「じゃあヴィクトル、なんか一言」
「ああ、そうだな。――名無しちゃん」
「えっ」

彼が乾杯のグラスをもち、あなたに向かって愛おしそうに笑んでいる。

「俺と婚約をしてくれてありがとう。さっきも見たばかりのように、君の魅力に焦ってしまう情けない俺だけど、末永くそばにいさせてほしいな。君は俺の唯一ですべての人だ。心から愛しているよ」
「えっ、ええー!」

ものすごい事を皆の前で言われ、あなたは真っ赤に茹で上がる。
そして自分も何か言わないとと思い、喜びと恥ずかしさの中で彼を見上げた。

「よ⋯⋯酔っ払った姿でも愛してる?」
「もちろん。とっても可愛いよ」

あなたの気弱な質問に彼が柔らかな表情で即答し、心の中が急激に沸騰して溶かされていく。

「⋯⋯私のほうこそ末永くよろしくお願いします! そして皆さん、お祝いしてくださりほんとにありがとうございます!」

ぺこりと赤い顔で頭を下げると、皆の温かい声と拍手が巻き起こった。
そして乾杯の渦へと誘われていく。

興奮醒めやらないでいると、隣にはヴィクトルの瞳を細めた笑顔があった。
照れていると彼のほうへ抱き寄せられる。

「こ、こういうの下手でごめん」
「どこがだい? ものすごく素敵で可愛かったよ。俺の名無しちゃん」
「⋯⋯まだ酔ってるでしょヴィクトル」
「ちょっとね。君は?」
「緊張して醒めちゃったかも」
「なんだ。残念だな」

二人の甘い会話は盛り上がる皆の声に隠されている。

あなたはドキドキしながら、自分の指に光る指輪と、その手を握ってくれる彼の大きな手を見つめた。

ああ早く、彼にも指輪を渡したい。
与えられる以上の幸せを自分も返していけたらな――。

その夜、あなたは友人らに祝われる夢のような光景にいた。
ヴィクトルの幸せそうな横顔は忘れられないものとして、じんわり胸に刻まれていった。
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