第19章 忘年会編
「い、イケオジ? それ俺もはいってるの? 俺だけお兄さんだよね? ね? 名無しさんはどう思う?」
「えっ。あ、はい。そうですよもちろん、マックスさんはお兄さんですよ! ⋯⋯あ、いえ皆さんそうだと思いますよ!」
口走ったあなたが慌てふためくと、また皆は楽しそうに笑ってくれた。
懐の深い人達でよかった⋯そう思いつつ、セリアはエリックにたしなめられ面倒を見られている。
皆がああだこうだいいながらケーキを取り分けている中、クリスが近づいてきた。
「名無しさん。来てくれてありがとうございます。さっきはすみません、彼にスマホを取られてしまいまして」
「いいんですよクリスさん。私もご迷惑じゃないかと心配したんですけど、皆さんに温かく迎えて頂いて嬉しかったですから」
彼の物腰柔らかい気遣いに感謝しながら、ふと兄のフロリアンについて尋ねたが、家庭のある彼は一足先に帰ったようだ。
「名無しさん達が来てくださったことを知ったら、うちの兄貴も後悔するでしょうねえ。また別の機会に会ってやってください」
そう言われ、こちらこそとお願いする。
するとクリスはこっそりあなたに教えてくれた。
「ヴィクトルは少し酔ってしまったみたいですが、寝室にいると思うので大丈夫ですよ。どうぞごゆっくり、こちらはお任せくださいね」
「えっ? あ、はいありがとうございますっ」
急にドキリとしたまま、その言葉に甘えたあなたは皆から離れ、別の廊下奥にある彼の寝室へ向かう。
なんだかヴィクトルがいなくて大丈夫だろうかと心配したが、やっぱりクリスマス会で接した時のように、皆優しくていい人達である。
この興奮も伝えたいし、早く彼の顔が見たい。
そうワクワクしながら扉を開けると、世にも珍しい姿を見つけた。
「あ⋯⋯あれ? ほんとに寝ちゃってる⋯⋯」
サイドランプが灯るいつもの白い大きなベッドに、彼は横向きに寝転がっていた。
普段の大人な凛々しい顔立ちでなく、少し赤らんだあどけない横顔で寝息を立てている。