第19章 忘年会編
「どうもはじめまして〜。名無しの親友で劇団員のセリアでーっす! こっちは彼氏のエリック26才レストランマネージャーですぅ。皆様お手柔らかに〜あははは」
「どうも皆さん、はじめまして。よかったらこれ、うちの店の魚料理なんですが食べてください」
「おっすげえ、燻製のコースじゃん! 酒に合うぜ!」
エリックが実家の魚レストランから差し入れをしてくれて、皆は沸き立った。
そしてあなたも持ってきたデザートを渡す。
「これもセリアちゃんと作ったチョコレートケーキなんです。ちょっと食べちゃってるんですけど、よかったら皆さんでどうぞ」
3人分が欠けた大きなホールケーキに、皆は目の色を変えた。
一際食いついたのは初対面のミロである。
「うわぁ美味しそうだなぁ〜ありがとう名無しさん! 俺君のクッキーの大ファンなんだよ。ヴィクトルの食い尽くしてものすごい怒られちゃったけど。あ、ところで初めましてだよね。会えて嬉しいな」
にこりと笑って飛んできてくれて、目線が少し上ぐらいのフレンドリーな彼にあなたも笑みが出る。
「初めまして、私もすごく嬉しいです! クッキーも喜んでもらえて作った甲斐がありました」
2人は和やかに握手をし、なんだか人のよさそうな彼に親近感を覚えた。
それぞれエリオやアンドレイ、クリスとも挨拶し、あなたはキョロキョロと恋人の姿を探す。
一方リビングは騒がしく、テーブルに置かれたケーキを皆が取り囲んでいた。
「僕から提案です。ヴィクトルのを一番大きめに切ってあげましょう」
「そうだな。それが一番平和だと思うよ、クリス」
「ですよねエリオ」
「はぁ? あいつはいつでも食えんだろ! 皆平等にしようぜ」
「うわ〜マックス、最悪。作ってくれた女性達の前でそんなぞんざいな言い方すんなよ。お前ほんとはモテないだろ?」
「っせえなミロ、俺を疑うな。食い意地が張ってるだけだ」
「あっはっはっは! 皆面白〜い! ヴィクトルさんのお友達だからすんごい真面目で葉巻吸ってるイケオジ集団なのかと思ったら、結構普通の男子なんですねぇ〜」
すでにテーブル前に居座り、ビール瓶を拝借しているセリアにあなたはぎょっとする。
「ちょっセリアちゃん! 失礼でしょう!」
しかし何かがウケたのか、大人の男性達の笑い声がどっと巻き起こる。