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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第19章 忘年会編


フロリアンはその後タクシーを呼び一人で帰っていった。責任感のある家庭人の彼は、ここ数年特にきちんとしている。

ヴィクトルは知らぬ間に寝室へ行き一眠りしてしまったようだ。

リビングには映像に熱中し解説するミロ、それを聞いてやるエリオとアンドレイ。
もう何度も見たビデオに飽き飽きしているクリス。隣でスマホをスワイプし続けているマックスが残された。

「なあお前さ、名無しちゃんの連絡先知ってんだよな?」
「ええ。クリスマス会のときに交換したんですよ。教えませんからね。僕の信用に関わるんで」
「そんなことしねえよ、あいつを怒らせるだろ。だからさ、お前今メッセージおくれよ。よかったら来ませんか?ってな」
「⋯⋯はぁ? あなたどんだけ非常識なんですか? もう夜ですよ! 若い娘さんをこんな暑苦しい男所帯に連れ込むなんてねえ、ヴィクトルが激怒しますよ!」
「いやあいつは嬉しいはずだ、俺に感謝するぜ。それにこの会ももうマンネリなんだよ。いい年したおっさんが過去の栄光と若さにしがみついて孤独をごまかしあってなぁ」
「それあなたが言います?」

暗がりのリビングで二人の押し問答は続くが、矛先が他のメンバーに向けられた。

「なあエリオ。お前もそう思わないか? ゲストが必要だろう」
「まあそうだな。新しい風が入るのはいいことだ。けれどマックス、タイミングがよくないんじゃないか。彼女はきっと無理して来てくれるかもしれない。それは心苦しいよ。今度新しい場を設けるのはどうだい、レストランとかな」
「さすがです、エリオ。アンドレイはどう思いますか?」
「⋯⋯俺はどちらでもいい。どうせ俺の意見など、誰も気にしていない」
「そんな寂しいこと言わずに。ミロは?」
「えっなに? ヴィクトルの彼女? いいねえ! 俺会いたかったんだよ、クリスマス会参加出来なかったからさ。奥さんの実家行ってて」

テレビ前を陣取っている彼が振り返り目を輝かせる。
多数決が効かず渋い顔のクリスだったが、ふっと笑みを浮かべた。

「わかりました。ではヴィクトルに聞きましょうか、最後」
「いいよ起こすなよ! つうかあいつがダメっつっても3対3で同点だから意味ねえぞ? アンドレイはこっちのチームな。ヴィクトルを起こさなきゃこのまま俺たちの勝ちだ!」
「いえ、兄貴は反対ですから」
「汚えぞ、いないやつをいれんな!」
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