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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第19章 忘年会編


「あいつは俺よりお前に懐いてるよな。大人になってからはとくにだ。一緒に飲み行ったりな」
「最近は減ったけどな。俺とは綺麗なところで飲んでるぞ。⋯⋯お前には気を使ってるんだろう。社の責任もあるし、結婚したから尚更な」

今度はヴィクトルがフロリアンの肩を慰めるように叩く。

「俺は何も変わってないつもりなんだがなぁ⋯⋯あいつは成長したよな。皆に気配りなんかして」
「ははっ。それもこれも兄貴のためだろ。クリスなりに責任があるんだよ。俺達と一緒に会社を盛り上げようとしてくれてるんだ」

2人は聞こえないように小声で話をし、時折笑みを浮かべていた。
 



さて、時刻はしだいに進み、会の熱気も高まっていく。

ウイスキーを飲んでいたヴィクトルだが、いつもよりペースが早い仲間に囲まれ、この時点でほろ酔いになっていた。

同じく基本的に酒が強いフロリアンは、皆の注意を引きこんなことを言う。

「いいか皆。我がソルヴェンテ社の国内の地盤は固い。来年は北欧に進出するぞ!」
「来年? 来年は明後日からで、もう予定は組まれているぞフロリアン。再来年の間違いじゃないか?」
「あ、そうだった、再来年だ再来年。さすが財務のエリオ、数字に強いな!」

がははと大口で笑う社長に、酒で陽気な皆も笑い出す。

「北欧ねぇ。いいな、北欧美女! 乗ったぜフロリアン! おいヴィクトル、そんときの出張相手は俺で頼む」
「お前は出張を何だと思ってるんだ? 観光してる時間なんてないんだよ」
「そう小言言うなって! 時間はな、あるかないかじゃなくてな、作り出すもんなんだよ! お前が必死こいて名無しちゃんに会いに行ってるようになぁ!」
「はは⋯⋯それもそうだな。別に俺の能力で可能だからで必死なわけじゃないけどな⋯⋯だってな、本当に可愛いんだよ名無しちゃんは⋯⋯」

ソファに座り、緩んだ顔つきで天井を仰き始めるヴィクトルのグラスを取り、ウォッカが入ったショットグラスを持たせるマックス。

飲み干したところを見て彼も膝を叩いて爆笑していた。
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